ネットワーク音源再生システム概要
当方マンション住まいでオーディオ機器を置く場所も制限される環境で、既存の デスクトップPC 、ノートPC、宅内LANの ファイルサーバー を使ったネットワーク音源再生システムを構築した。(2025年4月)
デスクトップはミュージックビデオ専用、ノートは CDリップした WAVファイル再生専用とする。共にアナログミキサーMidas DM12を介してアクティブスピーカーに出力する。プリアンプはない。
CDに収録されているデータを出来るだけ忠実に再生することを目指した。そうすることで 3時間でも 4時間でも、いつまでも聴いていたくなる音になる。その結果 玉石混交、有象無象なハイレゾ音源は不要になった。
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環境
ネットワークオーディオの不評は承知の上で プロケーブル の機材(100Vアイソレーション電源、重鉄タップ、アナログミキサー、ケーブル類全部)購入した。
その他、DAC(POPPULSE)とアクティブスピーカー(EDIFIER)は販売終了のため他店で購入した。
デスクトップPC(Windows11)とファイルサーバー(Rocky Linux 8)は共に自作機で、宅内LANは 2015年に自分自身で構築した。インターネットは、FTTH - 100Mbpsマンションタイプ。
既存のルーターは設置から10年が経過し発熱大きく(50℃)ガタがきていたため、この機会にヤマハの小中規模法人向け VPNルーター(RTX1220)に入れ替えた。
RTX1220内蔵センサーが示す温度は真夏の酷暑下、エアコンなしの状態にも係わらず 39℃前後で安定している。
RTX1220は電源内蔵型なのでシールド電源ケーブルにしたかったのだが、IECコネクターが奥まっておりワットゲートのプラグが入らず、非メッキの3ピン電源ケーブルにした。
全ての機器は、重鉄タップを介してアイソレーション電源から取っている。また、アクティブスピーカーを除いた機器の電源ケーブルは全て非メッキプラグにした。ノートPCはバッテリー駆動。
ファイルサーバー~ルーター~PC間の LANケーブルは ベルデン 1874A。RJ45モジュラープラグは AMP製。
この環境で 2台の Windows11 PC間で 5GBの動画ファイル(.TS)をコピーした時の速度は、13MB/s(HDD同士)アップした。
インターネット速度テスト(GoogleのWebアプリ)の結果は <上り73.5Mbps/下り90.4Mbps> YouTubeの 8K動画もコマ落ちすること無く再生される。
音源1
CDを Linux専用のデスクトップPC(Ubuntu Studio 22.04LTS)上でリッピングした WAVファイルをファイルサーバーに置きバッテリー駆動のノートPCで 16bit 44.1KHz再生。全て女性ボーカルの邦楽、洋楽。
リッピングアプリは Konqueror(コンケラー)。
こちらは [ファイルサーバー ⇨ルーター ⇨ノートPC ⇨アナログミキサー ⇨アクティブスピーカー] で再生する。
音源2
インターネット上からダウンロードした動画、ミュージックビデオ等。
こちらは [ファイルサーバー ⇨ルーター ⇨デスクトップPC ⇨USB-DAC ⇨アナログミキサー ⇨アクティブスピーカー] で再生する。
音源3
ストリーミング再生。
こちらは [インターネット ⇨ルーター ⇨デスクトップPC ⇨USB-DAC ⇨アナログミキサー ⇨アクティブスピーカー] で再生する。
SATAケーブル
C2G 30cm。各PCの SSD、HDDとマザーボード間に使用。一般的なケーブルと比較して明らかにピアノ、アコースティックギターのクオリティーが1段上がる。
USBケーブル
PC~DAC間の USBケーブルは、ユニブレイン USB2.0ケーブル標準Bタイプ 90cm。PC側は USB3.0ポートに接続した。明らかに音量が上がった。
ラインケーブル
DAC~アナログミキサー間のラインケーブルは、設備用(米国コンサートホールで使用されている)ベルデン 9451(RCAピン-TSフォン)。プラグはノイトリック製。
ノートPC~アナログミキサー間のラインケーブルは、設備用ベルデン 9451(ミニステレオプラグ-TSフォン金二股ワイドケーブル)。プラグはノイトリック製。
アナログミキサー~アクティブスピーカー間のラインケーブルは、設備用(米国コンサートホールで使用されている)ベルデン 9451(RCAピン-TSフォン)。プラグはノイトリック製。
イコライジング調整
アナログミキサー <目盛 0>、アクティブスピーカー <目盛 0>、メディアプレイヤー <無効>。要するに未調整。
メディアプレイヤー/サウンドサーバー
Windows版 Audirvana Origin/ASIO4ALL v2.16
以前は Kona Linuxを使っていたが頻繁に仕様変更があり、その度に調整するのが面倒くさくなったのと、この組み合わせで以前の Windowsから各段に良くなっており、もはやその差はないと感じてしまった。
アクティブスピーカーの設置場所
木製机(750mm×1,200mm)上にランチョンマットを敷き、□300mm×t25mmの磨き御影石3枚を並べて載せ、その上に 24インチPCモニターと、スピーカー(インシュレーターにソルボセインを挟んで)を置いた。
ソルボセインと磨き御影石の間には、毛足の短い(厚み 5mm)カーペットを敷いた。
アクティブスピーカーの調整
楽曲は、あいみょんのアルバム「風とリボン」に収録の「ハルノヒ」「裸の心」「マリーゴールド」。3曲ともアコースティックギターとボーカルのみの楽曲。
次の3種類のスピーカーケーブルで比較した。全て 2m(実測 約2m4cm)の購入品。
- ベルデン: 8460 18GA:メッキより線:2.05m(3.5cmカット)
- ウェスタン エレクトリック 24GA: オリジナル版:メッキ単線:2.05m(3.5cmカット)
- ウェスタン エレクトリック 24GA: 非メッキ:ブラックエナメル:2.00m(4.0cmカット)
何れも 2~3時間聴き続けても疲れなく、1.と 2.は少しだけシャープ気味で、3.は他より柔らかい感じで低音域の音量が少し上がる。どれも気に入ったが、3.にした。線径0.5mmほどの単線とは思えない音である。
3.の長さは 2.04m~1.985mが許容範囲だが 2.0mがベスト。後学のため 3.0mと1.0mも試したがこれは使えないレベルだった
プロケーブルのサイトブログ「お客様の声」の ボーカルが目前で歌っている、スピーカーの存在を忘れる とはどういう現象なのかよく分かった。まさに歌い手の心情が伝わって来るようだ。
これは推測だがプロケーブルの機材(特にアイソレーション電源と超越重鉄タップ)以外では上述のケーブルを使ってもこのような事は起きないと思う
機器詳細
- 3ピン⇨2ピン変換コネクター:Panasonic 接地15Aアダプタ WH2891P(非メッキ)
- アイソレーション電源トランス(写真右):1000W・100V専用仕様(STH-1010A)
- 出力コンセント:100V-4個/115V-2個
- 筐体アース端子:2次側機器用
- ワニスの匂い:2週間ほどで薄まり、1ヶ月もすれば通気口に鼻を付けて匂う程度
- 唸り音:しゃがむと聞こえる程度
- 発熱:エアコンなし室温+20℃程度
- アイソレーション電源トランス(写真左): 600W・100V専用仕様
- 出力コンセント:100V-2個/115V-2個
- 筐体アース端子:2次側機器用
- ワニスの匂い、唸り音、発熱・・・同上
- テーブルタップ:超越重鉄タップ10個口
- ワットゲートプラグ/シールドケーブル/本体:鉄
以下、文頭の記号凡例
- *️⃣…WATTGATEシールド電源ケーブル
- 🟧…非メッキ3ピン電源ケーブル
- 🔼…メッキプラグ
- 🟩…バッテリー駆動
*️⃣デスクトップPC(動画再生用):2023年 自作
- マザーボード/PSU :ASUS PRIME Z590M-PLUS/Seasonic FOCUS-PX-750S
- CPU/実装RAM/GPU :Intel Core i7-11700K(OC.5GHz)/DDR4-3600(OC.XMP) 64GB/NVIDIA RTX 3060 12GB
- システムデバイス :m.2 SSD NVMe 250GB(Windows11 Home 24H2)
- PCケース :6面鋼板
動画を 4K解像度にアップスケーリングする目的で製作したPC。生成AIを使用するためこの仕様に。
以前は WAVファイルも再生していたが、バッテリー駆動のノートPCの音を聴いてからは動画専用。決して音が悪いわけではない。
*️⃣デスクトップPC(CDリッピング用):2023年 自作
- マザーボード/PSU :ASUS PRIME Z390-A/Seasonic FOCUS-GX-750S
- CPU/実装RAM/GPU :Intel Core i9-9900K(OC.5GHz)/DDR4-3600(OC.XMP) 32GB/NVIDIA RTX 3060 12GB
- システムデバイス :2.5inch SSD 120GB(Ubuntu Studio 22.04 LTS)
- ODD :ASUS Blu-ray BC-12D2HT
- SATAケーブル :C2G 30cm
- PCケース :6面鋼板
Blenderで 3D.CGを作成する目的で製作したPC。
🟩ノートPC(WAVファイル再生用):2016年1月発売
- Dell Latitude 3470
- Windows11 Home 24H2
- Audirvana Origin/ASIO4ALL v2.16
*️⃣DAコンバーター
- POPPULSE WM8741
- 既に販売終了していたのでネットショップの中古品を購入。
- 本体裏面にプロケーブルのシールが貼ってありプラグもオリジナルだった。
- 電源電圧は 90V~115V。
- 電源ケーブルはアースループ防止のため 3ピン⇨2ピン変換コネクターを介して超越重鉄タップへ接続。
*️⃣アナログミキサー
- Midas DM12
- 初見の素人に扱える機材ではないのでプロケーブル殿のアドバイスを仰いだ。
- プリアンプのように低音量で左右の音圧レベルが違うようなことは皆無。
🔼アンプ内蔵スピーカー
- EDIFIER R1280DBs
- 電源ケーブルは本体から直出しタイプで、当該システムで唯一のメッキプラグ。
🟧ルーター
- YAMAHA ギガアクセスVPNルーター RTX1220
- 業界1位の座をシスコシステムズと争うヤマハ製の企業向け VPNルーター。何しろサポートが親切丁寧。
- CPU/クロック/RAM/Flash ROM:PowerPC/1000MHz/256MB/32MB
*️⃣ファイルサーバー:2015年 自作
- マザーボード/PSU :ASUS J1800I-C/デルタ電子 DPS-250-AB-44K
- CPU/実装RAM/HDD :Intel Celeron J1800(2.41GHz)/DDR3L-1600 4GB/WD10JFCX(2台)
- システムデバイス :HDD 30GB(Rocky Linux 8.10:2025年現在)
- SATAケーブル :C2G 30cm
- PCケース :3面鋼板 + 3面アルミ
- 収容楽曲数 :1000曲(CDリッピングした WAVファイル 1曲を平均60MBと仮定)
🟧PCモニター1
- 24インチ(要キャリブレーション)
🟧PCモニター2
- 19インチ(ファイルサーバー用)
雑感
費用総額税込 450,000円(既存のPC、モニター除く)
プロケーブルの機材を選んだ理由は「テレビやラジオのように聴きやすい音」と表現されていたことに共感したため。確かにテレビの音は1日中聴いていても疲れない。
巷には オーディオ用NAS なるものが信じられないような高値で売られており、100万円を超えるものもある。金塊でも入っているのだろうか。
要は如何にデータ遅延を最小限に抑えつつ転送するかであるから、企業向け業務用ルーターを超えるものはないと思うのだが。ネットワークセキュリティーもまた然り。
40年前のCDをリッピングしてみたら
実家の倉庫から Heart、REO speedwagon、Kim Carnes など 1985年~1990年発売の洋楽 CDアルバム 16枚が出てきたので WAVファイルへリッピングしてみた。
16枚中 1枚だけデータ読込みが出来なかった。残り15枚の音質は CD自体が劣化(データ消失)しているのだろうか、全て音圧レベルが極端に低く、聴くに堪えない状態であった。
40年前のカセットテープを再生してみたら
自宅の倉庫に 1980年~1990年ころのレコードや CDをダビングしたカセットテープとアルバムミュージックテープがあることは認識していたが、今時カセットデッキなどあるはずもなく今日に至るまで放置していた。
ところが最近 aiwaからラジカセ audio -G RCP2 が発売(2024年)されていることを知り、早速購入して現のテープを再生してみた。
流石に温度管理も何もしていない倉庫に 40年間放置していただけに、テープの状態に一抹の不安を覚えつつ再生してみたら案の定 27本中 2本がテープ送り機構部に絡みついてオシャカになってしまった。
テープ同士が固着していたのだろうか、原因は分からない。残りのテープは鉛筆で 5分の1程度巻き送ってから再生した。
テープの種類は TYPE Ⅰ(ノーマル), TYPE Ⅱ(ハイポジション、クロム), TYPE Ⅳ(メタル)の 3種類。メーカーは maxell、SONY、TDKの 3社。
ラジカセは TYPE Ⅰ仕様だが TYPE Ⅱ、TYPE Ⅳ共に再生可能。ただし音質はノーマルタイプ相当になる、と取説に記載されている。
楽曲は Asia、Bon Jovi、Night Ranger、Rick Springfield など殆どがロック系のアルバム。
これをヘッドホン端子から当該システムに繋げてみるが、まあこんなものかと言う程度。ところが不思議なことにラジカセから出音すると選曲や頭出しができないせいなのかずっと聴いていたい感じがする。
レコードからダビングしたテープなどプツプツノイズが入りまくりなのだがロックしている感がより伝わってくる。いい音ってなんだろな。
プロケーブル批判に思うこと
2008年から2020年くらいまでのブログや掲示板などのアンチコメントを、Google検索に引っかかる範囲で読んでみた。まあ、プロケーブルしてみれば織り込み済み、思惑通りの結果だと思った。
アンチもファンの内で、ファン同様インターネット上に宣伝拡散してくれる。
中にはさんざん批判しておきながらプロケーブルサイトに向け大量のリンク貼りまくってGoogleのサイト評価を上ようとするグレーな SEOをしているサイトもあった。
結果的にプロケーブルサイトに誘導しているわけなので。