EeePCネットブックを地デジTVにして観よう
現在のようにスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が普及する前まで巷でもてはやされていたネットブック2機種で地上デジタル放送(以降地デジ)を観られるようにセットアップしました。(2016/10)
当時最も人気のあったネットブックはASUSのEeePCシリーズで、日本で発売されたEeePCは10機種以上存在していましたが既に生産終了しています。発売から8年以上経過した2016年10月現在でも程度の良い中古品が入手可能で各種ドライバーもASUSのサイトで入手できます。
またカスタマイズやトラブルの対処法など、インターネット上の情報も今だに数多く存在しているので殆どの問題はユーザー自身で解決できると思います。
さらに今回使用するUSB接続の地デジチューナーは2014年にサポートが終了した WindowsXPと2020年にサポートが終了する Windows7で使用できます。なのでこれから先もずっとEeePCを使い続けることができるでしょう。
例えば、管理人は所有しているEeePC 1005HAにWindows XPの他にLinux OSのXubuntuを導入して地デジを観る時はWindowsXPを、インターネットやメールをする時は常にメンテナンスしている最新バージョンのXubuntuをといった使い方をしています。
EeePCで地デジチューナーを扱うときの注意
今回の地デジが観られるようにセットアップを施したEeePCネットブックは 1005HA・1025Cの2機種です。ここで注意すべきは、今回使用するUSB接続の地デジチューナーは発売から5年以上経過しているのでメーカーの生産も販売も終了していることです。
即ち2016年現在入手できるのは中古品またはプレミアム価格の新品で購入先はネット通販やネットオークションとなります。
特に中古品を購入する場合 B-CASカードが無いものがあるので注意が必要です。また中古品・新品に限らず地デジチューナーを購入する際には必ずインターネットでバグや録画したコンテンツの使用制限などの情報を確認しましょう。
なお発売当時こそ巷を沸かせたEeePCですが今となっては貧弱な性能のEeePCです。EeePCに地デジを「観ること」以外を期待してはいけません。
事前に用意するもの
今回の地デジ視聴のために用意するものはネットブック以外に 屋内用感度調整付ブースター(電波増幅器)、F型接栓、75Ω同軸ケーブル、工具そしてUSB接続のODD(光学ドライブ)です。
室内アンテナなどメタルライン以外での視聴は無理があります。屋内テレビアンテナコンセントから地デジチューナーまでの同軸ケーブル配線や機器の配置は下記のリンク先が参考になると思います。
USB2.0 接続の地上デジタル放送チューナー
今回使用した地デジチューナーはBUFFALO製の下記2機種です。いずれの機種も2016年現在生産終了しています。
地デジチューナー|DT-H10/U2
2009年6月に発売されたPC用地デジチューナーで、自宅に保管していた領収書や納品書を見るとEeePC 1005HAを購入した3ヶ月後に当時税込み6,980円で購入していました。2016年現在も問題なく使用しています。
主な仕様
- 対応機種
- USB2.0を標準搭載のDOS/Vパソコン
- 対応OS
- Windows XP(SP2以降)
- Windows Vista(SP1以降 32/64bit)
- Windows 7(32/64bit)
- CPU|AtomN270・CeleronD330・Sempron2800以降
- グラフィックス|Intel 915・RADEON xpress1100以降のVGAチップセット
- アナログディスプレイ接続|COPPドライバー必須
- デジタルディスプレイ接続|HDCPまたはHDMI 対応
- インストール環境|メモリー/1GB以上・HDD/40MBの空き領域
- インストールユーティリティー Ver.1.10
- ビューワ|PCastTV for 地デジ Lite
発売日:2009年6月
地デジチューナー|DT-F110/U2
2016年2月に購入した中古品の EeePC 1025C用にこの地デジチューナーを購入しました。既に生産終了していますがネット通販で新品を13,000円で入手しました。当時の販売価格が11,000円くらいだったようなので2,000円程度のプレミアムがついています。
主な仕様
- 対応機種
- USB2.0を標準搭載のDOS/Vパソコン
- 対応OS
- Windows XP(SP2以降)
- Windows Vista(SP1以降 32/64bit)
- Windows 7(32/64bit)
- CPU|AtomN270・CeleronD330・Sempron2800以降
- グラフィックス|Intel 915・RADEON xpress1100以降のVGAチップセット
- アナログディスプレイ接続|COPPドライバー必須
- デジタルディスプレイ接続|HDCPまたはHDMI 対応
- インストール環境|メモリー/1GB以上・HDD/60MBの空き領域
- インストールユーティリティー Ver.1.20
- ビューワ|PCastTV3 for ちょいテレ・フル
発売日:2010年11月
EeePC 1005HA に DT-H10/U2 を導入する
2010年1月に1005HA(Windows XP)を購入した同時期から地デジチューナー DT-H10/U2を使用しています。DT-H10/U2の導入の手順は
- PCastTV 環境確認ツール でパソコンが仕様を満たす事を確認する(fig1)
- 付属のCDからデバイスドライバーとビューワをインストールする
- パソコン再起動
- チャンネルスキャンと設定
- 番組表の取得
でOKです。なにしろ6年前に行ったインストールと設定なので細かい事はあまり覚えていません。だだ2つだけ記憶に残っていた事がありました。1つはドライバーのインストールに関して_
ドライバーのインストール方法
取説には「付属CDのインストーラーを起動して以後その指示に従うように」とありインストーラーの指示どうりDT-H10/U2を接続するとドライバーのインストールに失敗します。何度やっても結果は同じでした。
正しくは付属のCDをセットする前にDT-H10/U2を接続しデバイスマネージャーでDT-H10/U2が認識されている事を確認します(fig.2)そのあとで付属のCDをセットすればドライバーのインストールは成功します。
アンテナ線(同軸ケーブル)はパソコンのUSBポートに挿す前にDT-H10/U2に接続しておきます。
fig2の画像はドライバーをインストールした後のデバイスマネージャーです。インストール前は「!DT-H10/U2」のように表示されます
地デジの視聴は1005HAの性能でギリギリといったところです。バックグラウンドプロセスが始まると軽くコマ落ちが発生する時があります。WindowsXPはすでにサポートが終了したOSなのでバックグラウンドで動くプロセスは停止または削除しましょう。
セキュリティーソフトの状態
もう1つ記憶に残っていたのはドライバーと PCastTV for 地デジ Liteをインストールする再のセキュリティーソフトは有効のままだった事です。
- Kaspersky Internet Security(2010年当時)-- 有効
録画コンテンツの編集アプリ
DT-H10/U2で録画したコンテンツを編集するアプリは無いようです。
EeePC 1025C に DT-F110/U2 を導入する
2016年2月に中古品の1025C(Windows 7 Starter)を購入したのでやれる事はやってみようと言う事で今回は地上デジタル放送を観られる様にしました。地デジを観るためには地デジチューナーが必要です。
そこで既に生産終了になってはいますが現在も新品が入手できるDT-F110/U2を購入にました。DT-F110/U2の導入の手順は前セクションで紹介した EeePC 1005HA + DT-H10/U2と同じです。
- PCastTV3 環境確認ツールでパソコンが仕様を満たす事を確認する(fig4)
- 付属のCDからデバイスドライバーとビューワをインストールする
- パソコン再起動
- チャンネルスキャンと設定
- 番組表の取得
でOKです。またドライバーのインストールに関しても同じく付属のCDをセットする前にDT-F110/U2を接続しデバイスマネージャーでDT-F110/U2が認識されている事を確認します(fig.5)
そのあとで付属のCDをセットすればドライバーのインストールは成功します。アンテナ線(同軸ケーブル)はパソコンのUSBポートに挿す前にDT-F110/U2に接続しておきます。
fig5の画像はドライバーをインストールした後のデバイスマネージャーです。インストール前は「!DT-F110/U2」のように表示されます
ドライバーとビューワのインストール後チャンネル設定や番組表の取得にかかった時間は同軸ケーブル接続の11ch(UHF,VHF,CATV)で
- チャンネルスキャン|6分
- 番組表の取得|40分
です。地デジの視聴は1025Cの性能でやや足りない感じです。1005HAよりは良いのですがOSが重いのとバックグラウンドで動いているプロセスも重いようで稀にコマ落ちが発生しました。
とは言っても地デジの視聴に支障をきたす程ではないので普通に視聴でき、チャンネルの切り替わりもスムーズです。録画・再生も問題ありませんでした。
セキュリティーソフトの状態
ドライバーと PCastTV3 for ちょいテレ・フルをインストールする際のセキュリティーソフトは有効のままで行いました。
- Microsoft Security Essentials -- 有効
録画コンテンツの編集アプリ
DT-F110/U2で録画したコンテンツを編集するアプリはペガシス社の下記のものがあります。2つ共所有していますがDT-F110/U2で録画したコンテンツの編集に使ったことはありません。
- TMPGEnc MPEG Smart Renderer 4(販売終了)
- TMPGEnc MPEG Smart Renderer 5
いずれのアプリもEeePCでの使用は圧倒的に性能不足なので現実的ではありません。下記のページで両アプリのパソコン環境をテストしています。
雑感|「地デジ Lite」と「ちょいテレ・フル」を比べてみると...
地デジTVを設定したEeePCの詳細は下記リンクへどうぞ
今回2種類の地デジチューナーを試したわけですが、何れの機種も特に不具合もなく普通に視聴できます。ただしビューワである「PCastTV for 地デジ Lite」と「PCastTV3 for ちょいテレ・フル」に明らかな使い勝手の差があります。
まず旧型の DT-H10/U2 - PCastTV for 地デジ Liteはチャンネルウィンドウがメインスクリーンから切り離されているので表示位置をマウスドラッグで自由に移動できます(fig7、8)
ただしチャンネルウィンドウは下の写真のサイズから拡大することは出来ますが小さくすることは出来ません。なのでEeePCのモニター画面のサイズではメインスクリーンと重なってしまいます。
一方、ちょいテレ・フルはと言うとチャンネルウィンドウがメインスクリーン内の右端に固定されその分映像が縮小されてしまいます。チャンネルウィンドウをメインスクリーンの外に出すことは出来ません。
上の6枚の画像(fig7~12)は実際の画面より一回り大きな表示になっています
お勧めは...
よってEeePCのように小さいモニターサイズですとどちらも一長一短がありユーザーの好み次第といったところでしょうか。
管理人はデスクトップパソコンに接続した時にチャンネルボックスがメインスクリーンに重なることがない旧型のDT-H10/U2をお勧めします。2016年10月現在もネット通販で新品のDT-H10/U2が販売されているのを見かけます。
さらに「アマレココ」でAMV3ビデオコーデックを購入すれば地デジ Liteのメインスクリーンをビデオキャプチャー出来ます。地デジ Liteのメインスクリーンの外枠は細い(fig9)ので動画編集アプリの映像クロップで消すことが出来るうえ高画質のままエンコード出来ます。
ただし、ハイエンドパソコンと大容量のHDD、5万円程度の高品質モニター(VA型液晶)そして有料の動画編集アプリをそろえる事が必要条件です。
最後に、EeePCで地デジを扱う際は「観ること」以外に期待してはいけません。