Linux OS の移設とパーティションのリサイズ
テストベンチ台で実機シミュレーション
自宅サーバー機の HDDとマザーボード入れ替えに備えて OSの移設と移設先パーティションのリサイズを実機でシミュレーションした時のメモ(2016/05)
サーバー機OSをテストベンチ台HDDへ移設
サーバー機 主な仕様
- CPU:Intel Pentium 4 3.4GHz Northwood
- HDD:TOSHIBA MQ01ABD100(2.5inch・5,400prm)
- SATAモード:IDE
- GPU:GeForce 6600
- OS1:CentOS 6.6(以降 CentOS)
- OS2:Xubuntu 12.04 LTS(以降 Xubuntu)
さらに詳しいことは 自宅サーバー ~自作機
テストベンチ台 主な仕様
- CPU:Intel Core2 Quad Q6600
- HDD:HGST Travelstar Z5K320(2.5inch・5,400prm)
- SATAモード:IDE
- GPU:GeForce GTX500Ti
OSの移設手順
- CentOS・Xubuntuをインストールしているパーティションのバックアップイメージファイルを各々作成する
- 使用アプリ:Acronis True Image Home 2012
- ライブメディア形態:CD-R
- イメージファイル保存先:自宅サブネット内の NAS
- テストベンチ台HDD(/dev/sda)にパーティション作成
- 使用アプリ:GParted(GNOME Partition Editor)
- ライブメディア形態:USBメモリースティック
/dev/sda1 | CentOS|20 GiB |
---|---|
/dev/sda2 | Xubuntu|20 GiB |
/dev/sda3 | DATA|252.1 GiB |
/dev/sda4 | swap|6 GiB |
1 GiB(2進表記)= 1.07374 GB(10進表記)|e.g. 100 GiB ≅ 107.4 GB となり実効値(2進表記)より大きい値になるため商用には GB が用いられる
- 移設先HDD の MBR(Master Boot Recordにチェーンローダーをインストール
- チェーンローダー: MBM(Multipule Boot Manager)
- ライブメディア形態:CD-R
- 移設先HDDに CentOS・Xubuntu のバックアップイメージファイルをレストア(復元)する
- 使用アプリ:Acronis True Image Home 2012
- ライブメディア形態:CD-R
- レストアした CentOS・Xubuntu を起動する
- 使用アプリ:Super Grub2 Disk i386 pc 2.00s2 > Boot manually ... > menu.lst(GRUB legacy ...)で検索して CentOSを起動する
- 使用アプリ:Super Grub Disk hybrid-1.98s1 > Detect any OS で検索して Xubuntu を起動する
- ライブメディア形態:CD-R
- 起動した CentOS デスクトップ上の端末から /dev/sda1 の PBR(Partition Boot Record)に GRUB Legacyをインストールする
# grub-install /dev/sda1
これでパソコン再起動すれば通常起動する。
- テキストモードで起動している Xubuntu のコンソールから /dev/sda2 の PBR(Partition Boot Record)に GRUB2 をインストールする
$ sudo grub-install --force /dev/sda2
これでパソコン再起動すれば通常起動する。しかし Xubuntu にインストールしている NVIDIAグラフィックスドライバーは古くテストベンチ台のグラフィックスボードをサポートしていないので X が起動しない。
従って Xubuntu の NVIDIAグラフィックスドライバーを入れ替える。(CentOSはオープンソースのグラフィックスドライバーなので X は起動する)
Xubuntu はテキストモードで起動しているのでログイン後
$ sudo apt-get update
現ドライバーのバージョンを確認
$ dpkg -l | grep nvidia ii nvidia-173 ii nvidia-common ii nvidia-settings
現ドライバー削除
$ sudo apt-get --purge remove nvidia-173 nvidia-settings
新ドライバーインストール
$ sudo apt-get install nvidia-current
を実行してパソコン再起動で X 起動OK
ネットワークの設定については NIC(Network Interface Card)が変わると自動的に新しいネットワークコネクション(eth2 , eth3等)が確立されルーターのDHCPによりIPアドレスを自動取得するので何もしなくてもインターネットに接続出来る。
しかし CentOS はサーバー機(WEB,SSH,FTP,Samba)の OSでありルーターの機能を用いてプライベートIPアドレスを固定する必要があるので MACアドレスなどの再設定が必要になる。
OS移設先HDDのパーティションリサイズ
- 使用アプリ:GParted(GNOME Partition Editor)
- ライブメディア形態:USBメモリースティック
✔ リサイズ前のパーティション
/dev/sda1 | CentOS|20 GiB |
---|---|
/dev/sda2 | Xubuntu|20 GiB |
/dev/sda3 | DATA|252.1 GiB |
/dev/sda4 | swap|6 GiB |
を OS保持した状態で
- /dev/sda1 : 20GiB → 22GiB
- /dev/sda2 : 20GiB → 18GiB
のようにリサイズする
パーティションリサイズ手順
- Xubuntu の前方に 2GiBの空き領域を設定する
- CentOS 領域を「最大サイズ」にリサイズ設定する(後方の空き領域を 0GiBにするのではなく ... )すると CentOS と Xubuntu の間に何故か 1MiBの未割当てのパーティションが自動的に設定される
- ここで Gpartedの「全ての設定を適用します」をクリックすると 1.項及び 2.項の設定が実行され下記の様に /dev/sda1 が拡大・/dev/sda2 が縮小し謎の 1MiBが作成される
/dev/sda1 | CentOS|22 GiB |
---|---|
未割当て | 1 MiB |
/dev/sda2 | Xubuntu|18 GiB |
/dev/sda3 | DATA|252.1 GiB |
/dev/sda4 | swap|6 GiB |
次に謎の「1MiB」を消す
- Xubuntu パーティションを「最大サイズ」にリサイズ設定し「全ての設定を適用します」をクリックすると
/dev/sda1 | CentOS|22 GiB |
---|---|
/dev/sda2 | Xubuntu|18 GiB |
/dev/sda3 | DATA|252.1 GiB |
/dev/sda4 | swap|6 GiB |
となり謎の「1MiB」が消える。
続けてパソコンを再起動し CentOS・Xubuntu の起動確認すると CentOS 起動 OK・Xubuntu 起動 NG となるため再度 Super GRUB2 Disk で
- Super Grub Disk hybrid-1.98s1 >Detect any OS で検索して Xubuntu を起動する
- Xubuntu(/dev/sda2)の PBR に GRUB2をインストールする
$ sudo grub-install --force /dev/sda2
を実行後パソコン再起動し Xubuntu 起動 OK
所感
今回最も手間取ったのは OSをレストア(復元)した後 GRUBをインストールするため OSを起動するアプリである Super GRUB2 Disk の最適なバージョンを選択する事でした。
ここでは下記 2種類を使用しました。
Super Grub2 Disk i386 pc 2.00s2 → CentOS 6.6 Super Grub Disk hybrid-1.98s1 → Xubuntu 12.04 LTS
CentOS 6.6 の場合は GRUB Legacy のためこのバージョンを選択し Xubuntu 12.04 LTS も同じバージョンでもよいのですが当方の環境ではなぜか OSまたは grub.cfg の検索に20分以上かかりました。
今回使用したバージョンですと30秒ほどで OS検索が完了し作業性が著しく良いのであえて2種類使用しました。なおこの 2つのバージョン共に 2016年5月現在 Super GRUB2 Disk サイトのダウンロードリンクは切れていました。
なので下記ミラーサイトからダウンロードしました。
Download ☛ Super Grub2 Disk / Boots into many systems and GRUB2 ones!
テストベンチ台のハードウェア詳細は下記リンクへ
マザーボード他|マルチブート環境を構築 ≪HDD 1台編≫ ハードウェアの構成